日日是好日

書きたいときだけ。思ったときだけ。考えたことだけ。

誰も喜ばないと思うけれど。その1

 数年前の文章を発掘したついでに、高校時代いちばんたのしんで書いていた「部長のひとりごと」も載せていこう。誰も喜ばないと思うけれど。さらに、誰もたのしみにしてないけれど、勝手に一日一個ペースで小出しにしていこう。ちなみに2012年に書いた文章らしい。

 

 そもそも、「部長のひとりごと」というのは、私が勝手に始めたエッセイのようなもので、何故か友人や先生から評判がよかった。だから調子に乗って勝手に続けていた。

 書き始めたきっかけは、現代文の授業だった。「山月記」を読んでいた。あの男が虎になるあれ。そのときどうしても気になったことがあって、どうしてもそれをどこかに発散したくて、書いたけれど発表の場がないから、部誌に載せるという部長の職権乱用をしたまでである。ひとつだけでは何のコーナーなのか本当に訳が分からないので、そのままいろいろと日常で気になったこと、考えたことを思想だだ漏れでつづるコーナーと化した。

 というわけで、今日は記念すべき(?)第一弾。

 気付いてくれたら、誰かが懐かしいなと思ってくれたらうれしい。そもそもの当時の読者もわずかだっただろうけれど。

 

 

 

 

部長のひとりごと①

 

【自尊心】

自尊の気持。特に、自分の尊厳を意識・主張して、他人の干渉を受けないで品位を保とうとする心理・態度。プライド。(広辞苑)

 

  国語の教科書に出てきたこの言葉。自尊心=プライド。ためしに「プライド」を広辞苑で引いてみても、もちろん自尊心と載っている。ここで疑問が生まれた。プライドが高いというのは、自分を尊ぶ心が高いということなのだろうか。

 では、ここで私の話をさせていただこう。私は、端的に言うと、面倒くさい人間である。自分が関わっていることは、なるべく全てを把握しておきたいし、なんだかんだで負けず嫌い。委員会の委員長も引き受け、忙しいと言いつつ部長の座は譲ろうとしない。……書き連ねてみると、改めて気付く。なんて面倒くさい人間なのだ。自己嫌悪。友人たちに言わせれば、それは部の存続のためだそうだ。しかし、残念ながら私はそんなに優しくない。

 ここで自尊心の話に戻ろう。前述したとおり、私はこのような性格で、加えてたぶんプライドが高い。山月記よろしく、虎になるとまではいかないが、自分への期待が大きいとでも言うか。人を頼ることを知らないとか、自分のことを賢いと思っているとか、そういうことはない。そして、私がここで強調したいのは、これが「プライド」であって、「自尊心」とは少し異なる点だ。私のこの厄介な性情は「自分を尊ぶ心」なんて美しいことではなくて、結局のところ、ただのわがままなのだ。わがままな私を、周りが少し見誤っていて、いい人だとか、しっかりしているとか思ってくれて、だから私はこうやって部長や委員長をやらせてもらえている。これはとても有難いことである。同時に周りは私のことを過信していて、私も私のことを過信している。回りまわって、私は図に乗る。だからといって、私をもっと厳しく扱ってほしいとか、そういうことではない。ここまで、うじうじ言っておきながら、私はこんな性格だから、結局自分がかわいいのだろう。